学生であっても社会人であっても
スポーツを新しく始めるのはとても楽しいものです。いままで出来なかったことが出来るようになったり、始めたスポーツによって
新しい交流関係が生まれる、あるいは仕事や学業の
ストレスが発散できるという方もいらっしゃるかもしれません。
スポーツが上手に出来るようになると今度は更にうまくなるために練習し、それが上手くなれば今度はもっと、、、という欲望は尽きないものですし、スポーツというのはその為にしているともいえます。
しかし、突然始めたスポーツによって
身体が悲鳴を上げ、身体を痛くしてしまう時もあるものです。今回はそういったスポーツ障害の一つでもある
シンスプリントという疾患について記事を書いてまいります。これは主に
膝下のスネや重症化すると
足首あたりにまで痛みが広がる疾患です。そういった箇所に痛みを感じている方は是非、読んでみてください。それでは記事を始めてまいります。
シンスプリントとは?
冒頭でも触れていますが、
シンスプリントとは
スポーツ障害と呼ばれるスポーツすることに端を発する疾患の一つです。その主な原因は
オーバーユース(使いすぎ)によるものが多いのですが、
成長期の方の場合は
成長痛が併発している可能性も考えられます。
使いすぎと成長痛で同じ疾患が?とお考えの方もおられるかもしれませんが、その理由をこれからご説明します。こちらも冒頭でも触れていますが、
シンスプリントの症状はちょうどスネのあたりに出ることが多く、別名、
過労性(脛骨)骨膜炎、
過労性脛部痛、
脛骨内側症候群などとも呼ばれています。
スネには
脛骨という大きな骨があるのですが、この骨を覆う様に前面に
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)、
長趾伸筋(ちょうししんきん)という二つの筋肉、そして裏側にはいわゆる
ヒラメ筋と呼ばれる筋肉があることで私たちは
歩いたり、しゃがんだりということが可能になっています。
次に脛骨とこれらの
筋肉とのつながりについてですが、骨と筋肉はくっついていますが、筋繊維がそのまま骨にくっついているわけではなく、
骨と筋肉は腱(けん)という組織でつながっており、その腱は骨を覆っている
骨膜という組織と繋がっています。
ちなみにこの
腱が切れてしまう疾患を
腱断裂と呼びます。腱断裂は
シンスプリントと
異なり、治るまで安静の上、完治に
数週間~数か月かかることがありますので
シンスプリントとともに注意するようにしましょう。
さて、話を戻して
シンスプリントとは先の通り、使いすぎなどによってこの
骨膜あるいは腱に負荷が蓄積されることによって
炎症を起こし、痛みが発生する疾患です。
成長痛とシンスプリント?
シンスプリントは特に
成長期のスポーツ選手に起こりやすいといわれています。今度はその理由についてですが、
成長期というのは
身体全体が徐々に大きくなるものではなく、まず最初に骨が大きく、そして伸長していきます。
その頃の骨の端には
骨端線(こったんせん)という組織があり、ここから成長する新しい骨を作っていきます。ですから
成長期には
骨を作るカルシウムが不足することは良くないといわれるわけです。また、この
骨端線は成長期が終わると
普通の硬い骨と同化し、なくなっていきます。
お気づきの方も多いと思いますが、成長痛というのはこの
骨が伸びるスピードに筋肉や腱の成長が追いつかずにやはり炎症を起こしている状態を指しており、足の疲労によって
骨膜・腱が炎症を起こしてしまう状態と同じといえます。
そういった背景から
シンスプリントは
スポーツ障害とも
成長痛とも呼ばれているのです。ちなみに使いすぎによって起こるシンスプリントは単純に
過度に練習してしまうことも考えられますが、その他にも日頃走っている
路面が硬かったり、自分の
足にあったシューズを履いていない、あるいはそもそも
O脚、X脚になっているといった
下肢異常が原因もありますので心当たりがある方は気をつけましょう。
まとめ
今回は
成長痛ともスポーツ障害とも呼ばれるシンスプリントについて記事を書いてまいりました。最後に予防法を記載しておきたいと思います、月並みに言い方になってしまいますが、まず
スネの前後どちらでも痛みが発生した時は
練習をお休みして安静にしましょう。
また成長期のスポーツマンに痛みが現れた場合は、
安静にすることももちろんですが、出来れば
専門家に相談するようにしましょう。身体に痛みが現れたままスポーツを続けていると
痛みの個所をかばう様にして骨格が変形してしまうことも考えられますし、痛みによって
運動が嫌いになってしまう可能性もありますので、是非、保護者の方には気を付けていただきたいと思います。
また成長期でない方は
運動前のウォーミングアップを欠かさないのはもちろん、
運動後のクールダウンも欠かさないようにしましょう。運動が終わってしまうとなかなか面倒くさくてクールダウンはしないという方が多いと思いますが、クールダウンをすることは
疲労物質を患部に貯めないようにし、次の日の身体が楽になるだけでなく、
筋肉の疲労も軽減してくれる効果があるからです。
日々、ケガに注意して、いつまでも
楽しくスポーツが出来るようにしましょう。