運動が嫌いという方も多くいらっしゃると思いますが、活動的に外を
歩いたり、汗をかくことで
体調を整えたり、自律神経にも影響する
ストレスを軽減したりと
健康な体つくり以外にも運動にはたくさんの
メリットがあります。
しかしジョギングやストレッチ以外の
激しいスポーツをよくする、という方にとって一番、問題になるのが
ケガです。特にどのようなスポーツでも始めたては過剰に
チカラを入れすぎてしまうことで
激しい筋肉痛が起こったり、
捻挫してしまったり、あるいは始めたて出なくても久しぶりに
激しい運動をすることでアキレス腱を切ったり、肩の靭帯を損傷してしまったり、と十分な
準備運動をしなければ歳をとっていても若くても同様に
ケガをしてしまうことがあります。
今回はそういったスポーツに関わる
ケガ(スポーツ障害)の中でも特に度重なるジャンプやダッシュによって
膝を痛めてしまう
ジャンパー膝について記事を書いていこうと思います。
ジャンパー膝とは?
ジャンパー膝は冒頭にもありますが、バレーボール、サッカー、バスケットボールなど
ジャンプやダッシュを繰り返し行うスポーツ選手に多い疾患で別名を
膝蓋腱炎(しつがいけんえん)というように呼びます。
膝は下半身の
動きの中心になる組織で
加齢とともに
劣化していく組織でもありますが、若い時でも
ケガをしやすい箇所でもあります。その理由は身体全体の
負荷を吸収したり、ダッシュやジャンプをする時は通常の
何倍もの負荷がかかるからです。
それでは
ジャンパー膝を説明する前にまずは
膝の仕組みから確認していきましょう。骨盤から始まる下半身の繋がりはまず、
大腿骨(だいたいこつ:ふとももの骨)、
膝蓋骨(しつがいこつ:いわゆる膝のお皿)、
脛骨(すねの骨)、そして
足の骨へと繋がっています。
次に筋肉や靭帯の繋がりは身体の前に位置する
太ももの筋肉(大腿四頭筋)が
膝蓋骨に繋がり、そこから
脛骨へと繋がっています。また大腿骨は
側副靭帯を通って、
腓骨(脛骨の横の骨)に繋がり、膝の内部は
十字靭帯が大腿骨と腓骨をつなげています。
膝の疾患といえば有名なのはこの
十字靭帯の損傷だと思いますが、この疾患はジャンパー膝と同様に骨をつなげている
靭帯がやはり度重なる
負荷や激しい衝撃によって
切れてしまったり(断裂)
傷ついてしまうことで起こります。
では
ジャンパー膝の場合は何が起こるのかというと、例えばジャンプをする際、私たちは先ほども登場した
大腿四頭筋を屈伸させて
力を生み出しているのですが、この時、膝蓋骨、膝蓋腱、脛骨に
大きな負荷(牽引力:ひっぱるチカラ)がかかり、膝蓋骨の周辺に
微細な損傷を生み出すことで
炎症が始まり、
痛みを感じるようになるのです。
ジャンパー膝とオスグッド症
次に主な症状ですが、膝の下が
腫れたり、痛むといった事が挙げられますが、実は
同じような痛みを感じる疾患で、原因も同じように膝の
オーバーユースによって発症する
オスグッド症というスポーツ障害も存在します。
この二つの大きな違いはまずは
起こりやすい年齢です。オスグッドは
成長痛と同様に扱われることも多い疾患で、これにかかるのはまだ身体が出来上がっていない
成長期のスポーツマンに症状が出るのに対して、ジャンパー膝は
15歳~20歳までの
スポーツマンにその症状が出るのが特徴です。
またこの二つは
痛みの特徴も似ていて
初期段階では運動を始めた時や練習終わりに痛み、
重症化していくと
じっとしていても膝の下が痛むようになっていき、スポーツが続けられなって
前線離脱を余儀なくされたり、痛みから
歩行が困難になったりもします。さらに
痛みが出る箇所や
腫れている箇所も似ているのでスポーツを続けられないほどの痛みが出た時は
専門家に相談してみるのがよいでしょう。
まとめ
今回はジャンプやダッシュを繰り返すスポーツ選手に発症する
ジャンパー膝や似ている疾患である
オスグッド症などについて記事を書いてまいりました。文中でも触れていますが膝は
日常生活でも
動きの中心になるとともに、スポーツでは
負荷が集中する箇所なので年齢を重ねていなくても
ケガをしやすい部位です。
またオスグッドも同様ですが、これらの膝に関わる疾患は多くの場合、
初期段階では
痛みが少なく、多少の痛みや違和感があっても冷やして
炎症を抑えるとスポーツを
続けることが出来てしまったりと、
放置されやすい疾患でもあります。
しかし、無理をしてスポーツを続けてしまうと
悪化していくばかりで痛みも続きますし、ちょっとした衝撃でさらに
重症化してしまうこともあります。特に若い年代の方であればどんどんと
上達するのがうれしかったり、周りに
置いていかれたくないという
強迫観念からなかなか部活や練習をお休みすることが出来ません。
けれど
身体が資本という言葉もあるように無理を続けていればいつか、
動けない状態になって
スポーツそのものが出来なくなってしまいます。
十分な完治を求めるという目的でなくても
原因を見つけたり、
対処法を見つけるためにも
違和感を感じた時はすぐに
専門家に相談するようにしましょう。